昔の佐藤ローズをもう一度|Mikki Roseの記憶とハイブリッドティーローズ

折り紙の時間

折り紙講座の生徒さんからのリクエストをきっかけに、久しぶりに「佐藤ローズ」を折ることになりました。

ちょうどその頃、Googleフォトを整理していたら、昔保存していた佐藤ローズの折り方が出てきました。懐かしくなって、当時のレシピと、現在の代表作の一つであるハイブリッドティーローズを両方折ってみることに。

久しぶりに昔の折り方に向き合ってみると、当時どれだけ苦労して練習していたかを、手が思い出すような感覚がありました。

そして同時に、今のハイブリッドティーローズが、折り順も形もどれほど洗練されているのかを改めて感じました。

この記事では、昔と今の佐藤ローズのどちらが優れているかを比べたいわけではありません。

昔から佐藤ローズを見てきた一人のファンとして、久しぶりに折って感じたことと、あの頃「バラジェンヌ」と呼ばれていた皆さんのことを思い出しながら、書いてみたいと思います。

Mikki Roseと呼ばれていた頃

私の記憶では、当時は佐藤ローズに「Mikki Rose」という呼び名も使われていました。

まだ佐藤ローズの書籍が出版される前で、mixiを中心に作品や折り方の情報が共有されていました。

その頃、「バラジェンヌ」と呼ばれる、佐藤ローズを熱心に折っていた皆さんがいました。

私はバラジェンヌと呼ばれるほどの腕ではなく、少し離れたところから佐藤ローズを追いかけていた一人のファンでした。

それでも、公開された折り方を見ながら何度も練習し、少しずつ形になっていく佐藤ローズに夢中になっていたことを覚えています。

今回この記事を書くにあたり、当時のブログや佐藤直幹さん本人のインタビューもあらためて確認しました。

昔のレシピは、とにかく難しかった

現在の佐藤ローズも決して簡単ではありませんが、昔のレシピは、さらに難しかったと感じます。

昔のレシピを見返して、まず思い出したのが「1/3」という指示の多さでした。

平面で折っている間も簡単ではありませんでしたが、本当に難しいのは、そこからバラの形に立ち上げていくところです。

紙がなかなか思い通りに動いてくれず、同じように折ったつもりでも、毎回きれいに同じ形になるとは限りませんでした。

何度折っても納得できず、失敗した紙でゴミ箱がカラフルになるほど練習しました。

それでも、きれいにバラの形になった時の美しさは格別で、やっと納得できる一輪ができた時は、しばらく放心したように眺めていました。

昔のレシピを、今もう一度折ってみた

久しぶりに折ってみると、「昔の私は、よくこれを何度も練習していたな」と、自分でも少し驚きました。

そして、このバラを高い完成度で何度も折っていた当時のバラジェンヌの皆さんの技術を、改めてすごいと感じました。

今回折った昔のレシピのバラは、全体がコロンと丸くまとまるようなシルエットが印象的です。

難易度は高いのですが、この形には今の佐藤ローズとはまた違った美しさがあります。

ハイブリッドティーローズを一緒に折って気づいたこと

今回は、昔のレシピとあわせて、現在の佐藤ローズを代表する作品の一つである「ハイブリッドティーローズ」も折ってみました。

昔のレシピと比べて特に感じたのは、紙の自然な流れにあまり逆らわず、立体のバラへと形を作っていけることです。

もちろんハイブリッドティーローズも難易度の高い作品ですが、折り順がとても洗練されていて、完成までの流れが分かりやすく、形の再現性も高くなっていると感じます。

それでいて、バラとしての美しさが失われているわけではありません。

昔のレシピを久しぶりに折った直後だからこそ、「簡単になった」というよりも、美しさと再現性を両立するところまで洗練された作品なのだと感じました。

真上から比べてみる

真上から見ると、2つのバラの違いがより分かりやすくなります。

左にハイブリッドティーローズ、右に昔のレシピで折った佐藤ローズを並べて真上から比較した写真

写真の左がハイブリッドティーローズ、右が昔保存していたレシピで折った佐藤ローズです。

ハイブリッドティーローズは、外側の花びらが大きく広がり、全体にも伸びやかな印象があります。

一方、昔のレシピで折ったバラは、全体が比較的コンパクトにまとまり、花の中心へ向かってぎゅっと集まるような印象です。

中心の渦や外側の花びらの見え方にも違いがあり、同じ佐藤ローズでも、完成した時の表情はかなり違います。

横から見ると、さらに違いが分かる

横から見ると、2つのバラのシルエットの違いがさらに分かりやすくなります。

左にハイブリッドティーローズ、右に昔のレシピで折った佐藤ローズを並べて横から比較した写真

ハイブリッドティーローズは、外側の大きな花びらが広がり、全体にゆったりと開いた印象があります。

一方、昔のレシピで折ったバラは、花びらが全体を包み込むようにまとまり、コロンとした丸いシルエットが印象的です。

どちらも真上から見た時とはまた違った美しさがあり、立体作品としていろいろな角度から眺めたくなります。

バラジェンヌの皆さんを思い出した

昔のレシピを久しぶりに折ったことで、当時「バラジェンヌ」と呼ばれていた皆さんのことも思い出しました。

中でも、私の記憶に強く残っているのが川崎亜子さんです。

佐藤ローズが今ほど広く知られる前から、熱心に折り、紹介し、その魅力を伝えていた人たちがいました。

私はその中心にいたわけではなく、少し離れたところから見ていた一人のファンです。

それでも、同じ時代に同じバラを追いかけていたからこそ、当時の皆さんの熱量は今でもよく覚えています。

今回あらためて当時の記録も確認し、実際に昔のレシピを折り直してみたことで、バラジェンヌの皆さんの技術の高さを改めて感じました。

佐藤ローズが多くの人へ届くまで

佐藤ローズを生み出したのは、もちろん考案者である佐藤直幹さんです。

一方で、その作品を何度も折り、魅力を伝え、次の人へつないでいった人たちの存在もありました。

佐藤直幹さん本人のインタビューを読むと、日本のSNS上にはバラをテーマにしたフォーラムがあり、多くの人が作品を投稿したり、難しい工程について助け合ったりしていたことが分かります。

当時を一人のファンとして見ていた私には、そうしたバラジェンヌの皆さんの存在が、佐藤ローズが多くの人へ広がっていくうえで、とても大きかったように感じています。

考案する人がいて、夢中で折る人がいて、分からないところを教え合い、また次の人へ伝わっていく。佐藤ローズが広がっていく過程には、作品そのものの魅力だけでなく、そこに集まった人たちの熱量もあったのではないかと思います。

最初の本が出版された時のこと

佐藤直幹さんの最初の本が出版された時、とても嬉しかったことを覚えています。

私はバラジェンヌではなく、一人のファンでした。それでも、あのバラが一冊の本になって多くの人の手に届くようになったことが、本当に嬉しかったのです。

それまでネット上で追いかけていた佐藤ローズが、本という形で残り、誰でも正規の折り方を学べるようになった。そのことに、ひとつの節目のようなものを感じました。

初期から佐藤ローズを折り、広めてきたバラジェンヌの皆さんにとっては、さらに特別な出来事だったのではないかと思います。

今では佐藤直幹さんの書籍から佐藤ローズを学べることが当たり前のように感じられますが、あの頃を知っていると、それ自体がとてもありがたいことだと感じます。

佐藤直幹さんの著書

佐藤直幹さんからは、佐藤ローズを学べる書籍が出版されています。

1枚の紙から作るバラの折り紙 [ 佐藤直幹 ]

美しいバラの折り紙 動画でわかりやすい解説DVDつき [ 佐藤直幹 ]

本物みたいなバラの折り紙 [ 佐藤 直幹 ]

それぞれの本から、佐藤ローズが広がり、折り方も洗練されてきた流れを感じることができます。

まとめ

昔のレシピを久しぶりに折ったことで、当時感じていた難しさと、完成した時のバラの美しさを改めて思い出しました。

同時にハイブリッドティーローズを折り、現在の佐藤ローズがどれほど洗練されているのかも改めて感じました。

そして何より、佐藤ローズを生み出した佐藤直幹さんと、当時この難しいバラを折り、その魅力を伝えていたバラジェンヌの皆さんへの敬意を改めて感じています。

久しぶりに折ったバラを眺めながら、ゴミ箱をカラフルな紙でいっぱいにして練習していた頃を思い出しました。

あの頃夢中になったバラが、今もこうして折り続けられている。それがなんだか、とても嬉しく感じます。

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